注文住宅の間取りにはどんな種類がある?
「間取り」と聞くと、1LDKや3DKなど部屋数で考える方が多いかもしれません。もちろん、家族構成や家族計画を考えながら間取りを決めるならば、部屋数を考える必要もあります。しかし、注文住宅であれば部屋数にとらわれず、ライフスタイルや家事動線、収納なども考えながら間取りを決められるのです。
フルーツに見立てた間取りタイプ
近年、家の間取りはフルーツに見立てた2種類で考えられることが増えています。それが、ぶどう型とりんご型です。
ぶどう型
「ぶどう型」は、リビングや寝室など、目的によって分けられた個別の部屋を廊下でつないだ間取りを指します。廊下がぶどうの軸、そこにつながる部屋がたくさんついた実をイメージしています。中廊下型とも呼ばれ、従来の住宅でよく見られる間取りです。
戦前の日本では、食事や睡眠など1日の多くの時間を茶の間で生活していました。しかし、生活様式の近代化のなかで住宅も欧米化。畳から板の間へ代わり、夫婦の寝室と子どもの寝室を分けた間取りへと変化してきました。欧米化した住宅は機能的にも都合が良かったのではといわれています。それぞれの居室がコンパクトなので、断熱性や気密性が低くても冷暖房が効きやすいのです。
しかし、これによって引き起こされたのがヒートショックです。冬場に暖かい居室から暖房のない廊下や浴室へ移動すると、急激な温度変化により心臓への負担に。最悪の場合、心筋梗塞や脳梗塞にもつながります。このようにデメリットもあるぶどう型の間取りですが、従来の住宅では一般的でした。
りんご型
長く一般的な住宅に取り入れられていた「ぶどう型」ですが、家族観やライフスタイルがさらに変化するとともに、間取りの主流も変わりつつあります。個別の部屋を廊下でつなぐぶどう型に対して、中央にリビングを配置し、大きなワンルームをイメージさせる間取りが「りんご型」です。皮のなかに実が詰まった様子がりんごをイメージさせています。
2000年代になり、家族が過ごすリビングを重視する生活スタイルに変化。廊下をなくして、それぞれの部屋に行くためにリビングを通るようにしたり、リビング階段を採用したりといった間取りが登場しました。
おすすめの間取りは「りんご型」!メリットはどんなところ?
このように、最近の住宅に取り入れられるようになったりんご型の間取り。R+house水戸ひたちなかでも家族のつながりを感じられるりんご型の間取りをおすすめしています。ここからは、りんご型の間取りのメリットをチェックしていきましょう。
居住空間が広く感じられる
りんご型の間取りは廊下を作らないため、同じ床面積でも、ぶどう型にくらべて居室を広くデザインできます。吹抜けを設けるデザインも増えているため、より開放感のある住空間となるでしょう。キッチンで家事をしながら、リビングで過ごす子どもとの会話もしやすいため、家族のコミュニケーションを重視する方におすすめです。
ライフスタイルの変化に対応しやすい
家族計画を考える際に、子ども1人に対して子ども部屋を1部屋と考えている方も多いでしょう。しかし、子どもが巣立つと部屋が余ってしまうということも考えられます。りんご型の間取りは、部屋を目的別に仕切りません。間仕切り壁を利用して部屋を区切ることで、ライフスタイルに応じて空間の使い方を変えられます。
>>注文住宅は木造と鉄骨どちらを選ぶのがいい?水戸市周辺での家づくり
りんご型の間取りは住宅性能がキーポイント!
開放感があり、家族のライフスタイルを考えた間取りにするなら、りんご型がおすすめです。ただし、少なからずりんご型の間取りにもデメリットがあります。
ぶどう型の間取りは、部屋ごとに室温調整がしやすいというメリットがありました。一方で、ぶどう型と対照的なりんご型の間取りは、部屋の仕切りがないため室温調整しにくいというデメリットがあります。そのため、昔ながらの住宅のように断熱性や気密性が十分でないと、冷暖房のコストがかさんでしまったり、場所ごとに室温のムラができてしまったりする恐れもあるのです。
水戸市・ひたちなか市では冬の寒さ対策は必須
このように、りんご型の間取りをするのであれば、住宅性能の高さは必要不可欠です。それでは、水戸市やひたちなか市周辺で家づくりをする場合、どの程度の断熱性能を目指せばいいのでしょうか。断熱性能を考える指標のひとつとなるのが「断熱等級」です。
断熱等級は、誰でもわかりやすく住宅が取得できるようにと定められた「住宅性能表示制度」による評価のことです。壁や窓といった外皮において、どれだけ熱が出入りしやすいかを表すUA値(ユー・エー値)と、太陽の日差しが室内にどれほど入りやすいかを表すηAC値(イータ・エー・シー値)をもとに、7つの等級で評価しています。日本は北海道と沖縄のように、家を建てる土地によって気温差があるため、基準となるUA値が地域ごとに異なります。それでは、水戸市・ひたちなか市それぞれの気候の特徴や基準UA値を確認していきましょう。
参考元:国土交通省|新築住宅の住宅性能表示制度かんたんガイド>>注文住宅における断熱性能の違いによる室温と光熱費の違いとは?|水戸市・ひたちなか市の場合
水戸市の気候
茨城県中央に位置する水戸市は、夏場は太平洋高気圧から吹く南寄りの風によって高温多湿で雨が降りやすいという特徴があります。冬場は乾いた北西の季節風が吹き、降雪は多くありません。夏場は35℃以上にもなる猛暑日がある一方で、冬場の気温が-10℃を下回ることも。断熱地域区分においては、宮城県仙台市と同様の5地域に分けられます。5地域における断熱等級ごとのUA値は以下の通りです。
5地域における等級別基準UA値(W/㎡・K)